PROJECT 01

第1回の様子

考えて、選んで、形にして、伝える。
2026年の夏、4人の子どもたちと進めた全5回の記録です。
途中で止めずに、4人全員が最後まで進みました。

  1. 01

    わたしを知るデザイン

    どんなきもちを「ぬの」にする? まずは自分に聞くところから。つかう人を想像して、何をつくるか決めて、世界にひとつだけの柄を考えます。

    ここで大切にしていること

    「なんでこれにしたの?」と聞くと、「なんとなく!」と返ってくることもあります。でも最初はそれでいいと思っています。話しているうちに、その子なりの理由が見えてくる。その瞬間が、私は面白いんです。

    ホワイトボードに書かれた3つの問いと、デザインシートに向かう子ども
    まだ真っ白なシートを前に、まずは自分に聞くところから。
    書き込まれたデザインシートと手元
    ここに書かれるのは、作品ではなく、考えたことです。
  2. 02

    柄を、設計する

    思いついた絵を、繰り返しても成立する「柄」にしていきます。配色も自分で決めます。ここからはファッションデザイナーと同じ考え方です。

    ここで大切にしていること

    失敗しない方法を選ぶ子がいました。前の私なら「もっと挑戦してみよう」と言っていたかもしれません。でも、その慎重さも、その子の考え方です。だから「こっちの方がいいよ」は言いません。その一言で、子どもの思考が私の思考になってしまうかもしれないから。

    タブレットで柄を描いている子ども
    手で描いた絵を、デジタルで柄にしていきます。
    テーブルを4人で囲んで作業している様子
    同じ机で、それぞれのペースで。
  3. 03

    布になって、返ってくる

    考えた柄が、実際の生地になって届きます。細部を決めて型紙をつくり、自分でピンを打って裁断します。

    ここで大切にしていること

    完成まで何度も考え直す子がいました。最初は「なかなか決められないんだな」と思っていました。でも違った。その子は完成を思い描いて、そこまでの道筋を考えていた。「悩んでいる」じゃなくて、「見通している」だったんです。

    子どもたちがデザインした柄が実際の生地になったもの4種類
    4人が考えた柄が、本当に布になって返ってきました。
  4. 04

    はじめてのミシン

    ミシンを踏みます。次はロックミシン。初めての道具が続きます。難しいファスナー付けに挑戦した子もいました。

    ここで大切にしていること

    初めてのことは、大人でもこわいものです。それでも「こわいけどやってみたい」という気持ちが生まれてくれたとき、私はいちばん嬉しい。信じてくれてありがとう、と思います。

    ミシンの使い方を一緒に確認している様子
    「ミシン、ちょっとこわい」と言いながら、それでも自分の手で。
    自分がデザインした柄の布を広げている子ども
    画面の中で描いた模様が、手ざわりのある布になりました。
  5. 05

    仕上げて、伝える

    自分の手で仕上げます。そして、なぜこの形にしたのか、誰に着てほしいのかを伝えます。

    「発表は嫌」から生まれた形

    最初は、一人ずつみんなの前で発表してもらうつもりでした。でも聞いてみたら、子どもたちは全員「発表は嫌」。それでも「伝える」だけはなくしたくなかったので、方法のほうを変えました。

    作品とデザインシートをそれぞれの場所に展示して、自由に見て回る形に。作品の横に付箋を置いて、「ここが好き」「なんでここはこうしたの?」を、お手紙みたいに書いて貼っていきます。

    そうしたら、4人の作品のまわりが付箋でいっぱいになりました。想定外だったのは、子どもたちが他の子の作品にすごく興味を持ったこと。質問を書き、作った子が答え、そこから話が広がる。一方的な発表ではなく、作品を真ん中にした小さなQ&Aがたくさん生まれました。

    展示された作品を見て回り、付箋を書いている子どもたち
    前に立って話すのをやめて、見て回る形にしました。
    作品のまわりに貼られたたくさんの付箋
    作品のまわりが、子どもたちの言葉でいっぱいになりました。
    実際に生まれたやりとり

    「なんでピンクにしたの?」→「持ってないから。」
    「なんで山を薄く描いたの?」→「山が無いと寂しい。昔の日本画っぽくした。」
    「なんで鳥と亀を描いたの?」→「長生きの象徴(鶴は千年亀は万年)。」
    「この服を着てどこに行きたい?」→「日本舞踊のお稽古。」

    つくっているときには言葉にしていなかった「なんで?」が、聞かれることで少しずつ言葉になっていきました。伝えるって、自分の考えを一方的に説明することではなくて、自分と誰かの間にやりとりが生まれることなのかもしれません。

全5回を終えた子どもたちと、完成した作品

2026年8月、4人全員の作品が完成しました。(右端の画面はオンラインで参加してくれた1名です)

一人ひとりの記録について
RUNWAY

そして、ランウェイへ

2026年12月、Studio knotでひとつ大きな挑戦をします。
子どもたちが、自分でデザインした服を着てランウェイを歩く。
そんなファッションショーに挑戦しようと思っています。

もちろん、完成した服を見てもらうだけではありません。

  • どうしてこの形にしたの?
  • どんな人に着てほしい?
  • 何を一番大切にしたかった?

そんな問いと思考を重ねながら、
一人ひとりが自分だけの一着をつくります。

デザインは、誰かに届いて完成だと思っているので、
作って終わりにはさせたくないと思っています。

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