考えて、選んで、形にして、伝える。
この夏、4人の子どもたちと実際に進めている全5回の流れです。
どんなきもちを「ぬの」にする? まずは自分に聞くところから。つかう人を想像して、何をつくるか決めて、世界にひとつだけの柄を考えます。
「なんでこれにしたの?」と聞くと、「なんとなく!」と返ってくることもあります。でも最初はそれでいいと思っています。話しているうちに、その子なりの理由が見えてくる。その瞬間が、私は面白いんです。
思いついた絵を、繰り返しても成立する「柄」にしていきます。配色も自分で決めます。ここからはファッションデザイナーと同じ考え方です。
失敗しない方法を選ぶ子がいました。前の私なら「もっと挑戦してみよう」と言っていたかもしれません。でも、その慎重さも、その子の考え方です。だから「こっちの方がいいよ」は言いません。その一言で、子どもの思考が私の思考になってしまうかもしれないから。
考えた柄が、実際の生地になって届きます。細部を決めて型紙をつくり、自分でピンを打って裁断します。
完成まで何度も考え直す子がいました。最初は「なかなか決められないんだな」と思っていました。でも違った。その子は完成を思い描いて、そこまでの道筋を考えていた。「悩んでいる」じゃなくて、「見通している」だったんです。
ミシンを踏みます。次はロックミシン。初めての道具が続きます。
初めてのことは、大人でもこわいものです。それでも「こわいけどやってみたい」という気持ちが生まれてくれたとき、私はいちばん嬉しい。信じてくれてありがとう、と思います。
自分の手で仕上げます。そして、なぜこの形にしたのか、誰に着てほしいのかを話します。
作ったものを見せるためだけに、伝える時間を作っているわけではありません。人に伝えようとすることで、自分でも自分のことが少し見えてくる。デザインは、誰かに届いて完成だと思っています。
第4回・第5回の様子は、進み次第この場所に追加していきます。